春日山を登って本丸へ。
杉が林立する深い山中の山道を登りながら、戦国時代をリアルに実感！

2009年初となる当企画は、NHK大河ドラマ「天地人」の舞台となり一躍脚光を浴びている新潟県上越市からお届けします。

この時期の上越は銀世界のイメージがあったのですが、実際に訪れてみると周囲を囲む山々は雪に覆われているものの、平野部に雪はなく、聞けば近年にない暖冬とのこと。やはり地球の温暖化は進んでいるのか？　などと思いつつ、まずは上越市観光企画課が主催する「越後上越・天地人博」会場へ足を運んでみました。まずは、戦国の名将上杉謙信、上杉景勝、そして、その家臣であった直江兼続など、ひとまとめに歴史のお勉強です。
会場は、JR直江津駅からクルマで５分ほどの直江津屋台会館というところ。早朝だったせいかまだ入館者は少なく、ゆっくりと見て回ることができました。

天地人博はその名の通り、NHKの大河ドラマをテーマとしたイベントということもあって、会場内にはドラマで使用されているセットの再現や出演者のインタビュービデオ、ちょっとコアな企画でメイクルームや控え室なども再現されていて、直江兼続役の妻夫木聡さん他出演者のファンの方々は必見かもしれません。もちろん謙信をはじめとするこの時代の戦国武将の紹介や時代解説などもビデオや資料展示などで巧みに行われていて、なかなか濃い内容でした。

さて、天地人博で得たにわか仕込みの知識を持って、いよいよ歴史の舞台となった春日山へ。JR直江津駅から南西方面へクルマを10分ほど走らせます。着いたのは春日山中腹の観光客用パーキング。ここでクルマを降り、山頂にある本丸跡地を目指します。上杉謙信が奉られる春日山神社で参拝し、いざ登山開始！　すっくと林立する杉の中をうねるように続く登山道をひたすら歩きます。平野部に雪はなくても、さすがに山中には雪が残っているので足場が悪く途中何度も滑りそうになります。
「土塁」「空堀」などの仕掛け阯や謙信の重臣であった兼続の屋敷、謙信が出陣前に戦術を練ったとされる「毘沙門堂」などを経て、やっと山頂の「本丸」に到着。時間にして30分、距離にして約１キロくらいだったでしょうか。途中、かなり急な坂道もありヘトヘトになりながらでしたが、深い山の静寂に包まれて、気分は完全に戦国時代にタイムスリップできました。ほとんどの建造物は残念ながら消失されていますが、史跡阯に立つと妙にリアルな感じで身震いします。ヘンにお金をかけて再現したり観光地化していないのが実にいいと思った次第です。本丸阯から平野部が一望できるのですが、この風景を謙信も眺めたのかとイメージできるだけで、ここまで来る価値はあります。皆さんも一度、ぜひ。オススメです！